日本のウイスキー界を代表する二大巨頭、白州12年と山崎12年。爽やかな清涼感を誇る白州と、深みのある複雑な味わいの山崎、この2つのシングルモルトウイスキーは、世界中のウイスキーファンを魅了し続けています。同じサントリーが誇る12年熟成のプレミアムウイスキーでありながら、全く異なる個性を持つこの2本。その味わいの特徴から製法、専門家の評価、さらには入手方法まで、徹底的に比較していきます。あなたの好みにぴったりの1本は果たしてどちら?日本が世界に誇る2大シングルモルトの魅力に迫ります。
白州12年と山崎12年の基本情報
日本のウイスキー界を代表する二大巨頭、白州12年と山崎12年。この二つのシングルモルトウイスキーは、同じサントリーの製品でありながら、全く異なる個性を持っています。
その基本情報を詳しく見ていきましょう。
白州12年
白州12年は、山梨県の白州蒸溜所で製造される爽やかで軽やかな味わいが特徴のウイスキーです。
標高約700メートルの南アルプスの麓に位置する蒸溜所の環境が、その独特の風味を生み出しています。清涼な空気と豊富な水、そして12年以上の熟成期間を経て、フルーティーでクリーンな味わいのウイスキーに仕上がります。
白州12年
山崎12年は、日本最古のウイスキー蒸溜所である山崎蒸溜所(大阪府)で製造されます。豊かな香りと複雑な味わいが特徴で、日本のウイスキーの代名詞とも言える存在です。
京都・山崎の軟水と、多様な樽を使用した熟成方法により、深みのある味わいを実現しています。
両者とも12年以上の熟成を経ており、その間に樽の中で複雑な風味を醸成しています。
白州12年はさわやかさを、山崎12年は深みを追求した結果、それぞれ独自の個性を持つウイスキーとして確立されました。
白州12年と山崎12年は、同じ12年熟成のプレミアムウイスキーでありながら、全く異なる個性を持っています。
白州12年は爽やかさと軽やかさを、山崎12年は深みと複雑さを追求しており、それぞれのファンを魅了し続けています。
日本が世界に誇る二大シングルモルトとして、両者ともに高い評価を受けているのです。
味わいの特徴比較
白州12年と山崎12年、この二つの日本を代表するシングルモルトウイスキーは、味わいの面でも大きく異なります。
香り、口当たり、余韻のそれぞれについて、詳しく比較してみましょう。
香り
白州12年の香りは、爽やかでフルーティーな印象が特徴です。
林檎や洋梨などの果実の香りに、かすかなスモーキーさが加わります。
まるで森の中にいるような清々しさを感じさせます。
一方、山崎12年は、濃厚で複雑な香りが特徴で、ドライフルーツやスパイス、樽由来の樫の香りが豊かに感じられます。
熟成された果実のような深みのある香りが印象的です。
口当たり
白州12年は、軽やかでクリーンな口当たりが特徴です。
ミントやハーブのような爽快感があり、すっきりとした印象を与えます。
飲み込んだ後も口の中がさっぱりとしています。
対照的に、山崎12年は、まろやかでコクのある口当たりが特徴で、蜂蜜やバニラのような甘みと、樽由来の複雑な風味が口の中に広がります。
シルキーな舌触りも特筆すべき点です。
余韻
白州12年の余韻は、さっぱりとしていながらも長く続き、最後にかすかなスモーキーさが残ります。
爽やかな余韻は、次の一口を誘います。
山崎12年は、長く深い余韻が特徴で、スパイシーさと甘みが絶妙なバランスで残ります。
複雑な風味が口の中で変化していく様子を楽しむことができます。
白州12年と山崎12年は、それぞれ全く異なる味わいのプロファイルを持っています。
白州12年は爽やかさと軽やかさを全面に押し出し、山崎12年は深みと複雑さを追求しています。
好みや飲む場面によって選ぶことができるのが、この二つのウイスキーの魅力と言えるでしょう。
どちらも日本が世界に誇るシングルモルトウイスキーとして、高い評価を受けているのは、この個性的な味わいゆえなのです。
製法と原料の違い
白州12年と山崎12年、この二つの名品ウイスキーの個性的な味わいの裏には、それぞれ独自の製法と原料選びがあります。
ここでは、両者の製造プロセスの違いを詳しく見ていきましょう。
原料
白州12年は主に国産の大麦麦芽を使用しています。これにより、日本的な繊細さと清涼感を実現しています。
一方、山崎12年は国産および輸入の大麦麦芽を使用しており、より複雑な風味プロファイルを作り出しています。
水
白州12年は南アルプスの伏流水を使用しています。
この水は、ミネラル分が少なく非常に軟らかいのが特徴で、ウイスキーの爽やかさに貢献しています。
山崎12年は京都・山崎の軟水を使用しており、これが山崎12年特有のまろやかさを生み出す一因となっています。
蒸溜
白州蒸溜所では、ポットスチルで2回蒸溜を行います。この方法により、よりクリーンで軽やかな原酒が得られます。
山崎蒸溜所では、多様な形状のポットスチルを使用しており、これにより様々な風味特性を持つ原酒を作り出すことができます。
熟成
白州12年は主にアメリカンホワイトオーク樽を使用して熟成させます。
これにより、バニラやココナッツのような甘い香りが付与されます。山崎12年は様々な樽(アメリカンオーク、スパニッシュオーク、ミズナラなど)を使用しており、これが山崎12年の複雑な風味プロファイルを生み出す大きな要因となっています。
白州12年と山崎12年の味わいの違いは、このような製法と原料の違いから生まれています。
白州12年は清涼感と爽やかさを追求し、山崎12年は複雑さと深みを追求した結果、それぞれ独自の個性を持つウイスキーとして確立されました。
どちらも日本の気候風土と技術が生み出した傑作と言えるでしょう。
価格と入手のしやすさ
白州12年と山崎12年は、ともに高級ウイスキーとして知られていますが、近年の日本ウイスキーブームにより、その価格と入手のしやすさは大きく変動しています。
ここでは、両者の現在の市場状況について詳しく見ていきましょう。
価格帯
白州12年の希望小売価格は10,000円〜15,000円程度、山崎12年は12,000円〜18,000円程度となっています。
しかし、実際の販売価格はこれらを大きく上回ることが多く、特に山崎12年は高値で取引されることがあります。
入手のしやすさ
両者とも人気が高く、品薄状態が続いています。特に山崎12年は世界的な評価が高いため、入手が困難な場合が多いです。
白州12年も人気ですが、比較的入手しやすい傾向にあります。
購入方法
- 大手酒販店やデパート
- オンラインショップ
- 空港の免税店
- 抽選販売
入手困難な状況を受け、サントリーは定期的に抽選販売を行っています。
これに参加することで、定価での購入チャンスを得られる可能性があります。
国際市場での評価
両者とも国際的な評価が高く、海外での需要も増加しています。
このことが、国内での入手難度を高める一因となっています。
白州12年と山崎12年の価格と入手のしやすさは、常に変動しています。
高級ウイスキーとしての地位を確立した両者ですが、その人気ゆえに入手が難しくなっているのが現状です。
購入を考えている場合は、複数の販売元をチェックし、最新の情報を確認することが重要です。
また、抽選販売などの機会を活用するのも一つの方法でしょう。
どちらのウイスキーも、その味わいと希少性から、コレクターズアイテムとしての価値も高まっています。
おすすめの飲み方
白州12年と山崎12年、それぞれの個性を最大限に引き出す飲み方があります。
ここでは、両ウイスキーを最も美味しく楽しむための方法を紹介します。
白州12年のおすすめの飲み方
- ストレート:
白州12年の爽やかな香りと軽やかな味わいを楽しむなら、まずはストレートがおすすめです。室温またはわずかに冷やした状態で飲むことで、フルーティーな香りと清涼感のある味わいを存分に味わえます。 - ハイボール:
白州12年は、ハイボールにしても素晴らしい味わいを発揮します。炭酸水で割ることで、さらに爽快感が増し、暑い季節にも最適な一杯となります。 - オン・ザ・ロック:
氷を入れることで、白州12年の香りがより引き立ちます。徐々に溶ける氷とともに、味わいの変化を楽しむことができます。
山崎12年のおすすめの飲み方
- ストレート:
山崎12年の複雑な風味と深い味わいを最大限に楽しむなら、ストレートがベストです。室温で飲むことで、豊かな香りと味わいの変化を感じることができます。 - 水割り:
少量の水を加えることで、山崎12年の香りが開き、新たな風味が現れます。アルコール度数が下がることで、より飲みやすくなるのも特徴です。 - ロック:
山崎12年をロックで飲むと、最初は冷たさとともにすっきりとした味わいを、そして氷が溶けるにつれて徐々に複雑な風味が広がっていきます。
白州12年と山崎12年、どちらも様々な飲み方で楽しむことができます。
白州12年は爽やかさを活かした飲み方が、山崎12年は複雑な風味を引き出す飲み方が適しています。
個人の好みや場面に応じて、最適な飲み方を選んでみてください。
また、少しずつ飲み方を変えながら、それぞれのウイスキーの多様な表情を楽しむのも一興でしょう。
白州12年と山崎12年、どちらを選ぶべき?
白州12年と山崎12年、どちらも日本を代表する素晴らしいウイスキーですが、あなたにとってどちらが最適なのでしょうか。
ここでは、両者の特徴を比較しながら、選び方のポイントをご紹介します。
味わいの好みで選ぶ
- 爽やかさを求める方 → 白州12年
フルーティーで軽やかな味わいを好む方には、白州12年がおすすめです。清涼感のある香りと口当たりは、特に暑い季節や食前酒として楽しむのに適しています。 - 深みと複雑さを求める方 → 山崎12年
濃厚で複雑な味わいを楽しみたい方には、山崎12年が最適です。スパイシーさと甘みのバランス、長く続く余韻は、ゆっくりと味わいたい時に最適です。
飲む場面で選ぶ
- カジュアルな場面 → 白州12年
軽やかな白州12年は、友人との集まりやカジュアルな飲み会などにぴったりです。ハイボールにしても美味しく、幅広い場面で活躍します。 - 特別な場面 → 山崎12年
深みのある山崎12年は、大切な人との食事や特別な記念日など、ゆっくりと味わいたい場面に適しています。
価格と入手のしやすさで選ぶ
- 比較的入手しやすい → 白州12年
白州12年は、山崎12年と比べるとやや入手しやすい傾向にあります。定期的に飲みたい方には、白州12年がおすすめです。 - 希少価値を重視 → 山崎12年
山崎12年は、世界的な評価が高く、入手が難しいことも多いです。コレクターズアイテムとしての価値も高いため、特別なボトルを所有したい方には山崎12年がおすすめです。
白州12年と山崎12年、どちらを選ぶかは個人の好みや飲む場面、価格や入手のしやすさなど、様々な要因によって変わってきます。
可能であれば、両方を試してみて、自分好みのウイスキーを見つけるのが最良の方法です。
また、場面や気分によって使い分けるのも楽しいでしょう。
どちらも日本が世界に誇る素晴らしいウイスキーであることは間違いありません。
専門家の評価と受賞歴
白州12年と山崎12年は、国内外の専門家から高い評価を受け、数々の賞を獲得しています。
ここでは、両ウイスキーの評価と主な受賞歴を紹介し、その世界的な評価の高さを見ていきましょう。
白州12年の評価と受賞歴
白州12年は、そのクリーンで爽やかな味わいが高く評価されています。
- ワールド・ウイスキー・アワード:
- 2014年 ベスト・ジャパニーズ・シングルモルト12年以下部門 金賞
- 2015年 ベスト・ジャパニーズ・シングルモルト12年以下部門 金賞
- インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ:
- 2015年 金賞
- 2016年 金賞
- サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション:
- 2012年 ダブルゴールドメダル
専門家からは、「日本の四季を感じさせる爽やかさ」「フルーティーな香りと軽やかな口当たりのバランスが絶妙」といった評価を受けています。
山崎12年の評価と受賞歴
山崎12年は、その複雑な風味と深い味わいで、世界中のウイスキー愛好家を魅了しています。
- インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ:
- 2003年〜2013年 11年連続金賞
- ワールド・ウイスキー・アワード:
- 2011年 ベスト・ジャパニーズ・シングルモルト12年以下部門 金賞
- サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション:
- 2013年 ダブルゴールドメダル
- ジム・マレー’s・ウイスキー・バイブル:
- 2015年 ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー
特に、ジム・マレーによる「ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」の受賞は、日本ウイスキーの世界的な評価を大きく高めるきっかけとなりました。
白州12年と山崎12年は、それぞれ異なる個性を持ちながら、ともに世界的に高い評価を受けています。
白州12年は爽やかさと軽やかさで、山崎12年は複雑さと深みで、専門家たちを魅了しています。
これらの評価と受賞歴は、日本のウイスキー製造技術の高さと、両ウイスキーの品質の素晴らしさを証明しています。
どちらも日本が世界に誇れるウイスキーであり、その評価は今後もさらに高まっていくことでしょう。
まとめ:日本が世界に誇る2大シングルモルト
白州12年と山崎12年、この2つのシングルモルトウイスキーは、日本のウイスキー文化を世界に知らしめた立役者と言えます。
ここでは、これまでの比較を踏まえ、両者の魅力を総括します。
個性的な味わい
白州12年と山崎12年は、同じ12年熟成のプレミアムウイスキーでありながら、全く異なる個性を持っています。
- 白州12年: 爽やかでフルーティーな香り、軽やかでクリーンな口当たり、さっぱりとした余韻が特徴。
- 山崎12年: 濃厚で複雑な香り、まろやかでコクのある口当たり、長く深い余韻が特徴。
この対照的な味わいは、日本のウイスキー製造の多様性と奥深さを示しています。
製法と原料へのこだわり
両者とも、原料の選択から水、蒸溜方法、熟成に至るまで、細部にわたってこだわりが感じられます。
- 白州12年は南アルプスの環境を活かし、清涼感のあるウイスキーを追求。
- 山崎12年は多様な原酒と樽を使用し、複雑な味わいを実現。
このような製法へのこだわりが、両者の個性的な味わいを生み出しています。
世界的な評価
白州12年と山崎12年は、ともに国内外の競技会で数々の賞を受賞し、専門家からも高い評価を得ています。
特に山崎12年のジム・マレーによる高評価は、日本ウイスキー全体の評価を押し上げる大きな要因となりました。
日本ウイスキーの代表として
この2つのウイスキーは、日本のウイスキー製造技術の高さを世界に示す代表格となっています。
その結果、世界中のウイスキーファンの注目を集め、日本ウイスキーブームの火付け役となりました。
白州12年と山崎12年は、それぞれ異なる個性を持ちながら、ともに日本が世界に誇れるシングルモルトウイスキーです。
爽やかさを追求した白州12年と、深みを追求した山崎12年、この2つのウイスキーは、日本のウイスキー文化の多様性と奥深さを体現しています。
どちらを選んでも、世界最高峰のウイスキーを楽しむことができるでしょう。
日本のウイスキー製造技術と職人の情熱が生み出した、これらの傑作を味わってみてはいかがでしょうか。